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粉瘤(ふんりゅう・アテローム・表皮のう腫)
粉瘤について
粉瘤は、皮膚の下にできた袋状の構造物の中に、角質と皮脂が徐々に溜まって大きくなっていくできものです。身体のどこにでもできますが、顔、首、耳のうしろ、背中などにできやすい傾向があります。やや盛り上がった数mmから数cmのできもので、中央に黒い点状の出口があり、強く押すと、臭い物質が出てくることがあります。良性の腫瘍ですが、ときに炎症を起こして赤く腫れ上がり、破裂することもあります。
粉瘤の治療について
状態によって手術方法が少し異なりますが、いずれも保険適応、局所麻酔の日帰り手術が可能です。手術の翌日と1週間前後にも診察に来ていただくことを推奨しております。
炎症を起こしたことがない→くり抜き法
中心部を2~5mmの円筒状のメスでくり抜いて、穴から内容物を揉みだします。内容物が入っていた袋を少しずつ切除して摘出します。穴を縫い合わせますが、縫わない方がきれいな傷が予想される場合は、縫合しません。
過去に炎症を起こしたことがある。他の疾患が疑われる→紡錘形に切除
しこりのあるところの皮膚を紡錘形に切り、しこり全体を摘出します。最後にしこりがなくなってできた空間と皮膚をそれぞれ縫い合わせます。
現在、炎症が起きて腫れている→皮膚切開術
中心部を2~5mmの円筒状のメスでくり抜いて、膿を外に出し、中を洗います。数日間毎日通院処置が必要になることが多いです。
見た目がにている病気
表面からは粉瘤に見えて、実は違う病気もあります
石灰化上皮種
小児、若年者の顔、首、腕によくできる良性腫瘍です。大きさはアテロームと同じぐらいですが、アテロームより硬く、表面が少しゴツゴツしています。局所麻酔で手術が可能です。
皮様嚢腫
生まれつき存在することが多いです。まゆげとまぶたの部分によく見られます。
骨にくっついていることが多いので手術はやや大変になります。
側頸嚢腫、正中頸嚢腫、耳前瘻孔
生まれつき存在するものですが、徐々に大きくなって成人してから気付かれることもあります。首の横側、首の真ん中、耳の前上方に症状がある場合は、注意が必要です。形成外科や耳鼻科に紹介します。
毛巣洞
おしりの割れ目の少し上側に炎症が起こります。生えている毛が、皮膚に突き刺さり、潜り込んで伸びていくことで起こります。形成外科に紹介します。
外歯瘻
虫歯や歯周病の膿が、皮膚側から排出される病気です。歯科治療が必要です。