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乾癬(かんせん)
乾癬について
乾癬は、特徴的な皮膚症状を伴います。青壮年期に発症することが多く、全身に症状がでます。いくつかの種類がありますが、最も一般的なタイプは尋常性乾癬で、銀白色のカサブタ、フケ、境界がはっきりとした赤みと盛り上がりが起こります。できやすい部位は慢性的な刺激を受けやすい頭、肘、膝、おしり、すねなどです。かゆみは約半分の患者さんにみられます。爪の変形や関節の炎症を伴うこともあります(関節症性乾癬)。
“カンセン”という発音から“感染”と思ってしまい、乾癬を知らない人の中には、「乾癬=うつる病気」だと誤解している人もいます。乾癬は、人から人へうつることは絶対にありません。
乾癬の原因
まだ完全にはわかっていませんが、乾癬になりやすい遺伝的素因に様々な環境因子(不規則な生活や食事、ストレス、肥満、感染症、特殊な薬剤など)が加わると発症すると言われています。近年は生活習慣の変化などから、日本でも乾癬の患者さんが増加しています。
治療について
症状の重症度、生活での苦痛の程度、ご本人の希望により治療法を選択していきます。まだ根本的な治療方法は見つかっていませんが、症状が現れないように治療を行います。
塗り薬
まず初めに行う基本の治療です。炎症を抑えるステロイド外用薬、細胞の異常な増殖を抑えるビタミンD3外用薬が用いられます。
光線(紫外線)療法
紫外線が持つ「免疫の過剰な働きを抑える力」を利用して、照射部位の症状改善をうながす治療です。塗り薬や飲み薬の治療と併用できます。
当院ではエキシマライト「エクシス308」を使用しております。症状の出ている部分だけに、細かく照射することができます。
飲み薬
比較的症状が重い方に用いられます。飲み薬には、角質細胞の異常な増殖を抑える薬、免疫の過剰な働きを抑える薬、炎症を抑える薬があります。単独でこの治療を行うこともありますが、多くは外用療法や光線療法と同時に行われます。
注射療法
乾癬の症状を起こしている物質を抑える治療薬で、生物学的製剤といいます。これまでの治療で、皮膚や関節症状の改善が十分にみられない場合に使用します。日本皮膚科学会が承認した施設でのみ治療を開始することができますので、必要に応じてご紹介させていただきます。