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手荒れ・汗疱
手荒れ(手湿疹)
手荒れは、特に、主婦、美容師、飲食店員など、水仕事を行う方、紙を扱う方に多くみられます。頻回の手洗いやアルコール消毒でも起こります。
一度手荒れを起こすと治りにくく、市販のハンドクリームを塗ったり、ステロイド外用薬を使ったりして良くなってもすぐ再発してしまうことがよくあります。
症状
主に利き手の親指、人差し指、中指の指先から症状が出現します。皮膚が乾燥し、かゆみを伴い、皮がむけたり、ジュクジュクしたり、硬くなってひび割れるなどの症状がでます。ひどくなると、両手の手のひら全体にまで広がります。
特に冬にひどくなり、夏はよくなる傾向にあります。冬は、湿度が低下して乾燥し、気温も低いため汗の分泌も減少するためです。
原因
皮膚は、皮脂、天然保湿因子、角質層によって、保護されてよい状態が保たれています。手指は、皮脂腺という皮脂を分泌する器官が少ないので、皮脂膜が薄いです。その代わりに角質が厚くなることで保護の役割を担っています。
せっけんや洗剤で、大切な皮脂も一緒に洗い流されてしまいます。お手入れしないで放っておくと、バリアがないために水分が失われていきます。また、外からの刺激も感じやすくなってしまいます。
繰り返し刺激が加わることにより、手荒れが起こりやすくなります。
汗疱(かんぽう)・異汗性湿疹(いかんせいしっしん)
症状
汗疱は、手のひらや足の裏に小さい水疱がたくさんできる疾患です。かゆみを伴うことがあります。異汗性湿疹は、汗疱が悪化して、湿疹が広がり、症状が強い場合を指します。
春~夏の汗をかき始める時期に多く見られます。
多くは、2~3週間で乾いて、皮がむけて、良くなっていきます。
原因
はっきりとした原因はわかっていませんが、汗、食品中や歯科金属によるアレルギー症状である場合があります。
手荒れ(手湿疹)と汗疱(異汗性湿疹)
手荒れ(手湿疹)と汗疱(異汗性湿疹)の両方が起きる方もいます。季節による変化はあるものの、1年中手にかゆみが続いてしまいます。
治療
塗り薬
主に塗り薬(ステロイドや亜鉛華軟膏など)での治療をおこないます。
補助的に、抗ヒスタミン薬などの飲み薬も使用します。
また、手をケアする習慣も大切になります。できる範囲で少しずつ心がけていただきます。
日常生活の注意点
塗り薬を塗ってしっかり治療
かゆみや炎症を抑える塗り薬や、皮膚を保護する塗り薬などがあります。軟膏やクリーム、テープなどもあります。
刺激を避ける心がけ
洗剤など、刺激の強いものは、直接触らないように心がけましょう。日中に綿の手袋などを使用することもおすすめです。
綿手袋が湿った状態がつづくことはよくないので、濡れてしまった場合は交換してください。
手を大切に
手を使う仕事を減らす工夫をしてください。家電に頼ってみるのも良いと思います。
手洗いしたら保湿する
手を洗う時は、強い力でゴシゴシせずに、優しく洗いましょう。手洗いのたびに保湿剤をまめに使用する習慣が大切です。
油断しないでケアを続ける
症状が軽くなったからと、薬を塗らなくなったり、ケアをしなくなると、すぐに元の症状に戻ってしまいます。べたべたしにくい保湿剤もあります。